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受取配当等の益金不算入及びみなし配 当等の額

⑴ 改正前の制度の概要

 受取配当等の益金不算入制度は、法人が受け る配当等の額のうち、完全子法人株式等に係る 配当等の額及び関係法人株式等に係る配当等の 額についてはその全額を、完全子法人株式等及 び関係法人株式等のいずれにも該当しない株式 等に係る配当等の額についてはその50%相当額 を益金の額に算入しないというものです(法法 23①、81の 4 ①)。また、その株式等の発行法 人の一定の事由により金銭等の交付を受ける場 合において、金銭等の額のうちその発行法人の 資本金等の額に対応する部分の金額を超える部 分の金額は、配当等の額とみなすこととされて います(法法24①)。

⑵ 改正の内容

① 概要

 これまで、投資法人の金銭の分配が、受取 配当等の益金不算入制度における配当等の額 に該当するか、資本の払戻しに該当するか、

その場合のみなし配当等の額の計算等につい ては、主に解釈に委ねられてきたところです。

 今般、平成27年度税制改正において受取配 当等の益金不算入制度の対象となる配当等の 額の見直しが行われることを機に、これらを 明確化するとともに、投資法人に関する法令 の整備に併せて、配当等の額及びみなし配当 等の額の区分が見直されました。また、これ らの改正に伴い、投資法人のみなし配当等の 額がある場合の資本金等の額の計算等につい て、所要の整備が行われています。

 このほか、みなし配当等の額について、会

社法の改正に伴う所要の改正が行われました。

(注) 上記の改正のほか、受取配当等の益金不 算入制度については、法人税改革の一環と して、益金不算入の対象となる配当等の額、

その元本である株式等の区分及びその配当 等の額の益金不算入割合の見直し等が行わ れています。詳細は、前述の「四 受取配 当等の益金不算入」をご参照ください。

② 投資法人の金銭の分配に係る改正

 受取配当等の益金不算入制度の対象となる 配当等の額に、投資法人の金銭の分配で出資 等減少分配以外のものの額が、規定上追加さ れる(法法23①二)とともに、みなし配当等 の額の生ずる基因となる発行法人の資本の払 戻しに、出資等減少分配が、規定上追加され ました(法法24①三)。

 出資等減少分配とは、投資法人の金銭の分 配のうち、出資総額又は出資剰余金の額から 控除される金額があるものをいいますが、こ の控除される金額と、一時差異等調整引当額 の増加額とが同額である場合のその金銭の分 配は除くこととされています(法規 8 の 4 )。

(注) 一時差異等調整引当額とは、利益を超え て分配された金額のうち、所得超過税会不 一致等の範囲内で利益処分に充当するもの とされ(投資法人計算規則 2 ②三十)、投資 法人の計算に関する規則に従って、投資法 人の貸借対照表の純資産の部において、一 時差異等調整引当額として区分して表示さ れる金額をいいます。そして、この一時差 異等調整引当額の処分についてあらかじめ 定めた貸借対照表の注記に従って、その後 の利益からの組入れによって戻入れを行う こととされています。その生じた利益の全 てを原則として投資主に分配する投資法人 にあっては、いわば、将来の利益を先取り するものと観念できます。なお、一時差異

等調整引当額の増加額は、投資法人のその 金銭の分配に係る計算期間(事業年度)の 貸借対照表における一時差異等調整引当額 の表示額と、その翌計算期間(事業年度)

の貸借対照表における一時差異等調整引当 額の表示額との差額(増分)ということに なりますが、実務上は、その金銭の分配に 係る計算期間(事業年度)の金銭分配計算 書に、その増加額として記載される金額に なる予定です。

 すなわち、投資法人の金銭の分配の額につ いて、受取配当等の益金不算入制度の対象と なる配当等の額に該当することが明確化され ました。また、投資法人の利益を超える金銭 の分配の額について、その利益を超える部分 の金額が将来の利益の額から成る金額のみで あるものは、通常の利益の分配と同様、その 全額を配当等の額とするとともに、それ以外 の利益を超える金銭の分配の額は、従前どお り資本の払戻しに該当するものとされ、それ が明確化されました。

 連結納税制度の場合についても、同様とさ れています(法法81の 4 ①)。

 なお、上記の改正に伴い、次の所要の整備 が行われました。

イ 資本金等の額

 投資法人が出資等減少分配を行った場合 には、その出資等減少分配に係る分配資本 金額を資本金等の額から減少させることと されました(法令 8 ①十七)。

 出資等減少分配に係る分配資本金額とは、

その出資等減少分配の直前の資本金等の額 に次の算式により計算した割合を乗じて計 算した金額をいい、その計算した金額がそ の出資等減少分配により交付した金銭の額 を超える場合には、その超える部分の金額 を減算した金額とされます。

その出資等減少分配による出資総額等の減 少額

その出資等減少分配の日の属する事業年度 の前事業年度終了の時の純資産帳簿価額

(その終了の時からその出資等減少分配の 直前の時までの間における資本金等の額又 は利益積立金額の増加額又は減少額を、増 加し、又は減少した金額)

(注 1 ) 分子の「その出資等減少分配によ る出資総額等の減少額」とは、出資 等減少分配により増加する出資総額 控除額(貸借対照表の純資産の部に おいて出資総額控除額に区分される 金額です。)及び出資剰余金控除額

(同純資産の部において出資剰余金控 除額に区分される金額です。)の合計 額から、その出資等減少分配により 増加する一時差異等調整引当額を控 除した金額をいいます(法規 8 の 2 の 3 )。なお、投資法人についていわ ゆるペイスルー課税が認められてい ることに基因して、実際には、分母 の「前事業年度終了の時の純資産帳 簿価額」を「前々事業年度終了の時 の純資産帳簿価額」とすること等と されています。詳細は、後掲の「租 税特別措置法等(法人税関係)の改 正」の「第五 その他の特別措置関 係」の「八 投資法人に係る課税の 特例」の「2 改正の内容」をご参 照ください。

(注 2 ) 分子の金額が分母の金額を超える 場合には、割合は 1 とします(法令 8 ①十七ロ)。また、その出資等減少 分配の直前の資本金等の額が零以下 である場合には割合は 0 と、その直 前の資本金等の額が零を超え、かつ、

分母の金額が零以下である場合には 割合は 1 とします。なお、上記の割 合は、端数を切り上げて小数点以下 三位までとします(法令 8 ①十七)。

 この整備に伴い、資本金等の額から減少 させる金額の基因となる事由のうち、資本 の払戻し等の範囲から出資等減少分配が除 かれています(法令 8 ①十六)。

ロ 利益積立金額

 投資法人の行った出資等減少分配により 交付した金銭の額が、その出資等減少分配 に係る分配資本金額を超える場合には、そ の超える部分の金額を利益積立金額から減 少させることとされました(法令 9 ①十二)。

ハ 所有株式に対応する資本金等の額  出資等減少分配がある場合のみなし配当 等の額の計算において、譲渡対価として配 当等の額とされないこととなる所有株式に 対応する資本金等の額は、その出資等減少 分配を行った投資法人のその直前の分配対 応資本金額を、その投資法人の発行済投資 口の総数で除し、これにその出資等減少分 配を受けた法人がその直前に有していたそ の投資法人の投資口の数を乗じて計算した 金額とされました(法令23①四)。

 分配対応資本金額とは、その出資等減少 分配の直前のその投資法人の資本金等の額 にその投資法人の上記イの割合を乗じて計 算した金額をいいます(法令23①四、法規

8 の 5 の 2 )。

(注) 「発行済投資口」とは、投資法人の発行 済みの投資口をいい、その投資法人が有 する自己の投資口を除いたものです(法 令23①四)。

 すなわち、法人が支払を受けた出資等減 少分配による金銭の額から、その出資等減 少分配を行った投資法人の上記イによる資 本金等の額の減少額のうちその法人の持分 に対応した金額を控除した金額が、その出 資等減少分配によりその法人が受けたみな し配当等の額ということになります。

③ 会社法の改正に伴う所要の改正

 会社法の一部を改正する法律(平成26年法 律第90号)における会社法の改正による株式